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~澄んだ声で歌う~
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「すき。 ──すき トハ 何デス カ」

Mには“好き”という言葉の意味が理解出来ませんでした。
仕事に不要な単語は、データとして、殆ど入力がなされていなかったのです。

「うーん・・・。難しい質問ねえ。──そうね、この唄を、もっと聴きたい、と思う気持ちのことかしら」
「ワカリマ セン。理解不能 デス」
「ロボットだったら、解らなくても無理はないわね」
「アナタ ハ ろぼっと デハ  ナイノデス カ」
「私? ええ、私はロボットじゃないの。人形よ」
「ニンギョウ」
「そう、人形。見た事はない? ほら、私の腕、金属ではなくて、木で出来ているでしょう? 足も、体も、顔だってそうよ」
「き トハ 何デス カ」

Mは、木を見た事がありませんでした。街の中には、木で作られた物は殆どなかったのです。

「そうねえ・・・。うんと昔には、この街にも、まだ随分と花や木があったのだけど・・・。私はね、樫の木で作ってもらったの。名前だってちゃんとあるのよ。トトっていうの」
「とと サマ」
「“様”は要らないわ。私は人間ではないから」
「ニンゲン デハ ナイ」
「そうよ。人形。人間じゃなくて、人形」
「ニン ギョウ」
「あまりよく分かっていないみたいね」
そう言って、トトは小さく微笑いました。

黄褐色の肌をしたトトは、手も足もひょろりと長く、白いワンピースを着て、髪の毛はオレンジ色の毛糸で出来ていました。

「あなたの名前は?」
「ナマ エ」
「ええとね。認識番号、だったかしら」
「M─102」
「M─102。Mね。あなたは、街外れの、小さな灰色のアパートに住んでいたお爺さんに、会った事はない?」
「オジイ サン デス カ」
「そう、のっぽでね、丸い眼鏡を掛けていた人。その人が私を作ってくれたの。お爺さんの、たった一人の娘さんが、事故で亡くなってしまったので」
「・・・・・・」
「お爺さんは、私の事をとても可愛がってくれて、色んな唄を聴かせてくれたから、いつの間にか私も、それらの唄を覚えてしまったの。初めてお爺さんの前で歌った時は、そりゃあびっくりして、目を丸くして、口をぽかんと開けてたわ」
「ナゼ ビックリ シタノデス カ」
「何故って・・・人形は普通歌えないものだもの。話す事も、動く事も出来ないの。唯、じっとしているだけ」
「デモ アナタ ハ 話シテ イマス」
「そう。・・・何故話せる様になったのか、自分でも不思議。お爺さんにも分からなかった。唯、奇跡だって」
「キセ キ」
「そう。奇跡。分かる?」
「キセ キ。──アリソウ モ ナイ コト。アリエ ナイ コト」

Mの答えに、トトは、ふっと微苦笑をこぼします。

「信じられなくて当然よね。周りの人達だって、誰も信じなかった。何か、からくりがあるんだろうって。年のせいで、自分のした事も忘れているんだろうって言われてた。──でもね、お爺さんは、それは喜んでくれた。涙をぽろぽろこぼしながら、あの子が帰ってきてくれたって──」
「なみ だ。なみ だ トハ 何デス カ」

「──とても──美しいもの」

僅かな沈黙の後で、トトは静かに答えました。

「哀しいけれど、とても美しいもの」
「カナシ イ ケレ ド ウツクシ イ モノ」

Mは、トトの言葉を繰り返してみました。
けれども、それが何を意味するのか、まるで理解ってはいませんでした。
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性別:
女性
誕生日:
1965/07/21
職業:
カード・リーディング・セラピスト
趣味:
映画・舞台鑑賞 美術鑑賞
自己紹介:
アロマセラピー、リフレクソロジーと学び、とりわけスピリチュアル・アロマの奥深さに大きく影響を受けました。
その日、その時、心惹かれる香りは、潜在意識からのメッセージです。

色彩心理やカウンセリングも再度勉強、西洋占星術や四柱推命、紫微斗占術 等と併せ、タロットやオラクル・カードのリーディング・セッションを行っています。

<答え>は、いつも貴方の中に。
迷った時は、カードに尋ねてみませんか?
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