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~澄んだ声で歌う~
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その街は、ロボットの街でした。
街のいたる所で、様々な形のロボット達が、来る日も来る日も命令通りに働いているのでした。

工場のロボット達は次から次へと製品を造り、運搬用ロボットがそれらを各家庭に配りました。
すると今度は廃棄物収集用のロボットが順々に回収し、ダストプール──廃棄物専用処理場──へと運び、そこでは、破壊用のロボット達が、次から次へとスクラップの山を築いていました。


この街は、ロボットの街でした。


──そして、無人の街でした。
街の周囲は一面の砂の海で、黄褐色の砂が、風が吹き過ぎる度に鳴き声を上げました。
昔、街を埋め尽くす程だった緑が、次第次第に消えていった時、人間達は皆、即座に別の土地へと移って行ったのです。
後に残った物は、灰色の空とビルの林。黒い煙を吐く工場。どこまでも続く砂漠。
そして、プログラムされた通りに、黙々と働くロボット達だけでした。


<M>は玉子型をしたロボットで、もう十日も前から、ダストプールの片隅で、スクラップとなる順番を待っていました。

配達用のロボットだったMの、以前は銀色に輝いていたボディは、今は錆ついて赤茶色となり、中央に付いている2つの小さな丸いアンテナは、ほんの少し動かしただけで、キィキィと音が軋みました。
伸ばせば倍の長さになった両腕は、両腕ともそっくり根元から外れてしまっていました。


そこは、動けなくなり、使い物にならなくなったロボット達が、無造作に積み上げられ、スクラップにされる順番を待っている場所でした。

その中に、一体だけ、ひどく風変わりなロボットがありました。
人間の女の子の姿をしたそのロボットは、黄色みがかった茶色のボディを白い服で包み、時々澄んだ音を発しました。
Mは、その音の連なりが、唄と呼ぶべきものである事を教えられてはいましたが、唄の歌えるロボットを見たのはそれが初めてでした。


「ロボットさん。あなたは唄が好きなのね?」


ある日の事。
その少女の姿をしたロボットが、Mに声をかけてきました。
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沙波
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52
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性別:
女性
誕生日:
1965/07/21
職業:
カード・リーディング・セラピスト
趣味:
映画・舞台鑑賞 美術鑑賞
自己紹介:
アロマセラピー、リフレクソロジーと学び、とりわけスピリチュアル・アロマの奥深さに大きく影響を受けました。
その日、その時、心惹かれる香りは、潜在意識からのメッセージです。

色彩心理やカウンセリングも再度勉強、西洋占星術や四柱推命、紫微斗占術 等と併せ、タロットやオラクル・カードのリーディング・セッションを行っています。

<答え>は、いつも貴方の中に。
迷った時は、カードに尋ねてみませんか?
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